2016年11月22日
10月18日から3日間にわたる第37回動物臨床医学会年次大会に出席するため、中之島の大阪国際会議場に行って来ました。会場の隣のホテルではもうクリスマスのイルミネーションで盛り上がっていました。
今回の学会は獣医学の学会では非常に大きな学会で学術雑誌や、ペット情報雑誌などで見かける有名な先生方のご講演を拝聴する度に興奮してしまいます。
大会中は朝から夜まで10以上の会場で同時に様々なディスカッションやセミナー、症例検討会が行われています。前もって自分の参加したい講演をチェックし、講演と講演の間でだだだだっと次のお目当ての会場に移動するのですが、何個か聞きたい講演が重なった場合はプロシーディングという内容の要約集を購入して目を通します。この間中、大会協賛の企業様が様々な商品展示ブースを出され、そこでも特別セミナーが開かれたり、スタンプラリーがあったり、、、と大忙しの一日となるわけです。
その中で、ペットを飼っている人なら誰もが興味深い問題行動としつけについても拝聴してきました。ペット雑誌やインターネットなどしつけに関する様々な情報があふれている中で、結局うちの子を叱ったり、罰を与えるべきなのか。という疑問は誰しもが抱く問題かと思います。すべての子にとって絶対にどの方法が正しいとは言えませんが、日本獣医動物行動研究会の最新の見解では「家庭でのしつけで罰は与えない方が良い!」ということです。例えば噛むなどの攻撃行動が恐怖の感情から行われている場合、そこに恐怖因子となり得る罰を与えることで、さらに攻撃行動が強化されることがありますし、いままで唸るなどの威嚇行動の後に段階を踏んで噛みついていた場合、その威嚇行動を省略してすぐに噛みつくようになることまであるそうです。罰を与えることでしつけがうまくいくケースではその罰が、やめさせたい行動が起きて一秒以内に、しかも遊んでいると認知されない効果的な方法で行われた場合のみであって、トレーニングのプロでなければかなり難しい領域となります。何より叱ることでは、正しい行動を教える事にはならない。というのが理由だそうです。
獣医師 島田
カテゴリー : 学会・セミナー・手術実績