2017年1月14日
先日、大阪の二次病院・ネオベッツVRセンターにて、整形外科分野のセミナーに出席させていただきました。今回は骨模型を用いた手術練習でした。
膝のお皿が外れてしまう膝蓋骨脱臼はよく目にする病気ですが、正しい位置に戻らなくなってしまった重度なケースでは外科的な治療が適用となる場合があります。生まれつき脛骨粗面(膝蓋骨と膝下の骨をつなぐ靭帯の付着部)が本来よりも内側に位置しており、外れやすい場合に骨を切って粗面自体を正常な位置にずらしてしまおうという術式が使われることがあります。それでは、切った後の骨はどうなるのかというと、写真(大腿部の骨や膝蓋骨、靭帯はありませんが)のように固定します。
見た目では足先の方にしか引っ張れてないじゃないかと思ってしまいますが、実際には太ももの方向に引っ張る靭帯と筋肉が付着しているので、固定のために設置したワイヤーと元々の筋肉が反対方向にそれぞれ同じ角度で引っ張りあうことで、骨片はしっかりその位置に保たれるという仕組みです。言われてみるとその通りだなと思わされますが、元々ある張力を逆に固定する力に利用するというのはとてもスマートだと感動してしまいます。
獣医師 島田
カテゴリー : 学会・セミナー・手術実績