2017年2月10日
本日は、大阪のネオベッツVRセンターにて開催された眼科の症例検討会に参加して参りました。
症例検討会は特に特徴的な症状があったり、診断を下すまでに困難なものについて意見を出し会う場です。
今日お知らせしたいことは、飼い主様がご自宅でワンちゃんや猫ちゃんの目の白さに気がついた際(特にその子が高齢の場合)、真っ先に思い浮かぶのが白内障だと思いますが、「この子は高齢で白内障なので放っておくしかないですよね?」ということで来院された中には、白濁が白内障以外の病気からであるケースがあるということです。
白内障とはご存じの通り水晶体という透明な組織が高齢変化などで白く濁って行く病気ですが、院内の検査では、まずその濁りが本当に水晶体にあるのか、ということを確認します。光は角膜、前眼房(眼房水という液体で満たされた空間)、水晶体、ガラス体、という順番で通過し網膜まで到達しますが、そのどこに病変があったとしても、目は白く見え得るのです。例えば角膜に大きな傷があった場合、感染がおきて悪化すると潰瘍や、目に穴が空いてしまうところまで進行する場合もあり、非常に危険です。また、前眼房に濁りがある場合はぶどう膜炎といっていわゆる目の色を決める虹彩などに炎症が起きている可能性があり、進行すると続発性に緑内障を引き起こし失明につながる場合もあるのです。逆に手術せずとも濁りや痛みをとってあげられるケースがあり得るということです。
獣医師 島田
カテゴリー : 学会・セミナー・手術実績