2017年2月28日
本日は、大阪府のネオベッツVRセンターにて、膝蓋骨脱臼についてのセミナーに参加させていただきました。こちらでも以前膝蓋骨脱臼のSingletonグレード分類のお話を書かせていただきましたが、今回は基本的に外科的な介入が必要となるグレード3(普段から膝蓋骨が脱臼している状態)でも、手術を適応しない方が良い場合があるということについて学んだので書かせていただこうと思います。それは多発性関節炎などが原因で膝関節に関節液が貯留している場合です。外科適応となる膝蓋骨脱臼では膝蓋骨が収まる溝が浅かったりなど形態学的な問題がある場合ですが、関節液の貯留が原因となる場合は膝蓋骨と大腿骨の間に関節液が侵入し膝蓋骨が浮いてしまい、結果滑車から落ちてしまう。という流れになります。この時外科手術により、一時的に整復できたとしても、液の貯留による再発や、特に多発性関節炎がある場合に次は肘関節の不調など前肢にまで病変が及ぶ場合があり、内科的に炎症を止めてあげるだけで脱臼が無くなるといった例があるということです。
獣医師 島田
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